時事川柳というのは、時代の声、空気を知る上でとっても面白い川柳のひとつですね。

サラリーマン川柳というのが、長年続いているのは、その時代のサラリーマンの哀愁とが入り交じっているからで、
そこに、多くの人・サラリーマンのこころを捉えているので人気があるんだと思います。

つまりは、共感というのが、キーワードでしょうか?

特に、時事川柳は、近代以後に生まれて、時事問題に風刺とか、批判を加えた川柳ですが、

今まで、残ってきたのは、そこに世の中の多くの読者からと共感してきたからでしょうね。

その通りだよね・・・うまいこと言うよな、
それが本質だよね・・・ってね。

時事川柳は、常に上に向かって発言していかないと、まずいですね。

下を向くと、皮肉・カラカイなどになって、
さらには、いじめへと向かってしまいますので、

常に、上の人に向かって、社会に向かって言わないといけないですね。

だから、作者が一体誰か?を問うよりも、大多数の共感の輪、さらにいえば、社会性をもつまでに至ることが時事川柳の特長ですね。

一般庶民が、その生きている時代の発言者として、
更には、歴史の証言者として力を発揮することができますね。

万葉集のような読み人知らずでも、時代の本質をするどくえぐるよな作品は、多くの人の共感を得て、広がっていくものです。

その時代の庶民の息遣いが、聞こえるようで、私は好きです。思わず、クスッと、笑ったりしてしまうのは、大衆の知のように思えてなりません。

完全版 時事川柳
完全版 時事川柳